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Channel: 河内の銘太鼓台
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折衷型太鼓台!?~西地蔵会太鼓台~

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以前、入魂式を執り行った堺市西地蔵会太鼓台。

板谷工務店で製作された太鼓台ですが、よく見てみると他に類を見ないふとん太鼓になっています。


それは下半身が “淡路型” で上半身が “堺型” になっているのです。





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▲一見、独特の屋根が付き堺型のように思いますが堺型の特徴でもある通し柱ではないんです。
それは土呂台の土呂柱と四本柱を見るとよく分かり、土呂柱はケヤキで四本柱は黒檀になっています。




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▲淡路型太鼓台はこのように四本柱と土呂柱が別々になっています。
こっちのほうが耐久性に優れいるとか…




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▲地車で言うと下地車と上地車が合体し、基本的には大阪型や住吉型の地車なんですが、そこに下地車の形態や意匠が取り入れられています。




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▲土呂幕部分や枡組部分をよく見ると下地車の形態が見受けられます。

折衷型地車第1号は昭和6年に大宗こと植山宗一郎師が製作した河合地車(元田中町地車)で、最初見た時は度肝をぬかれたでしょうね・・・。




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▲再び太鼓台へ戻りまして、構造からすると淡路型太鼓台に堺型太鼓台の要素を取り入れたと見られ、恐らく折衷型太鼓台第1号になると思います。

従って、彫物は堺型で多く見られる花鳥物中心ではなく合戦物が多く取り入れていました。





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▲もう一つ注目したいのが土呂台に地車で見られる猫木がありました。

太鼓台で猫木がついてるのなんて初めて見ました。




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▲ご想像通り、このようにコマをつけて巡行するみたいです。

土呂台も堺型なら豪華な彫物が施されますが、淡路型のようにシンプルな土呂台となっています。




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▲ちなみに普通のコマもありました…




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▲こちらは堺型の大南戸川隅田太鼓台。
堺型太鼓台は通し柱なのですらっとした印象ですが、西地蔵会太鼓台は通し柱ではないのでどっしりした印象です。




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▲最後は各部所の意匠を見てみましょう。
縁隅木は西地蔵会通称 “西脇” とありました。




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▲木鼻の上の金具には西地蔵会。




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▲そして尾垂木には “濱” とありました。
どのような意味なのでしょうか…




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▲町紋額は氏神さんにちなんでえべっさんでした。



・・・昔から『京都の着倒れ、江戸の履き倒れ、大阪の食い倒れ、堺の建て倒れ』と言われるほど昔の堺衆は、建物に工夫を凝らしたと云われています。


実際、地車のようにパッと見てわかるものではないですが、よ~く見てみるとすごく工夫が凝らされており、堺にぴったりな銘太鼓台が誕生したと思います。


あくまでも今までの意見は個人的な意見なのでお気を悪くしないで下さい。

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