五条史跡公園展示太鼓台

皆さんこんばんは。
本日は奈良県五條市にあります、五条史跡公園の建物内に展示されてます太鼓台をご紹介します。

この太鼓台は奈良県で活躍していた太鼓台で詳しい事は不明。
しかし大昔のふとん太鼓の原型を残す貴重な太鼓台でした。



五条史跡公園展示太鼓台 (恐らく)江戸時代後期～明治にかけて制作

大工 大坂の大工
彫師 相野一門(恐らく相野藤七)


※製作年代、大工、彫師については個人的な推測です。



《姿見》

▲デーン！！！写真では判りにくいですが、めちゃくちゃでかいです！！
型式垂木付きの大阪型大太鼓です。



《屋根廻り》

▲垂木ついてんのに大阪型？けったいやなぁ～、と思う方もいらっしゃるかとは思いますが、大昔は多く存在したそう。
・・・詳しくは5月以降に…

▲組物は大斗と肘木の上に桁がくるあっさりとした組物、その中にあっさりとしつつもぎっしり彫られた狭間が良いですね。

▲正面狭間 波に龍
線の細い龍・・・何より虹梁も素晴らしい！！

▲波の躍動感がもの凄いですわ。

▲正面の虹梁は松。

▲凄いのが付け木ではなく一枚物で彫り込んでいる事。
なので欠損が少なかったです。

▲右面狭間 親子の虎

▲右の虹梁は菊。

▲左面狭間 親子の虎

▲虹梁は水仙でしょうか。

▲後面狭間 波に飛龍

▲アップで、これが良かった！！

▲木鼻ですが、これが逸品でした♪

▲手をペロッと舐める獅子、この意匠を見た時は彦四郎かなと思ったんですが…

▲度正面から、良いですね！

▲肉球までしっかり彫られてました。

▲組物は籠彫り。



《腰廻り》

▲土呂台はこのような珍しい細工でした。
バッテンではなくて丸、粋ですね～。

▲欄干は跳勾欄です。




《おまけ》

▲この五条史跡公園にはかつて2台の太鼓台が野ざらしになっており、1台は展示されもう1台は処分、しかし一部のみ見ることができます。

▲獅子の子落としの場面、良い彫物です。
この彫物は相野藤七です。

▲親獅子アップで、良いですね。

▲子獅子も良いです。

▲木鼻。

▲狭間は裏側まで彫られてました。

▲虹梁の金具は獅噛でした。
相当豪華な太鼓台やったに違いないです。



良いものを見ることができました。
五条に眠る銘太鼓台でした。