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Channel: 河内の銘太鼓台
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大音(ダイオト)

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かつて、八尾の服部川に “大音(ダイオト)” と言う地車・太鼓台大工が存在しました。



イメージ 1

棟梁の名前は飯田松太郎、数多くの地車や太鼓台を製作し、当時や現在でも珍しい河内の地車・太鼓台大工。
しかし、その真相はあまり深く知られておりません。


今日は大音について、坂上忍ばりに徹底解説致します。



※実際、昨年の5月に訪問しました。
※場所や写真は載せません、ご了承下さい。
※5月の訪問時、ゆっくり見れなかった為また見せて頂く予定ですが、その頃には恐らくブログ書けないので、今書きます。
※なので曖昧な部分はありますが、ご了承下さい。



《大音について》
★服部川にあるのは事実。
★大きな旧家で庭に作業場がある感じ。
★作業場には地車の破風、彫りかけの松良、1~2台分バラされた地車の彫物がある。
★神輿もある。
★作業場には女の人の裸の壁紙がある。

↓イメージ

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お前いきなり何を言うてんねん。と思われるかも知れませんが、これはシャレでも何でもなく、完全に “昭和” で時間が止まっているという事。
飯田松太郎が大工を引退して、また変な話亡くなられても作業場は当時のまま。



《製作について》
大音は地車と太鼓台、そして神輿も制作してたみたいですね。
どちらかと言うと地車の方がメイン、太鼓で言うたら豊浦、柏原の本郷、上尾ぐらいでしょうか?



昭和13年頃 豊浦太鼓台

昭和22年 佐堂地車(現中宮)

昭和23年 岩田先代地車(現赤川)

昭和23年 矢柄地車(修理)

昭和25年頃 田治米地車

昭和26年 中浜地車

昭和26年 東小橋(比売許曽)地車

昭和28年 菱屋東(修理)

※このどこかに上尾と本郷太鼓台も入る。



イメージ 3

僕が確認したのは以上です。
て事は、昭和10年頃から昭和30年頃まで地車や太鼓台を多く手掛けた事が分かります。
いつ看板を上げて、いつ看板を下ろしたのかは聞けてないんですが、大音が地車や太鼓台を制作したのはおおよそ20年間かと。



イメージ 4

大音と言えば田治米の地車という方も多いかと思います、正直僕もその1人です。
だって昭和の前半に河内の大工が岸和田型の下地車を作ったんですよ?凄いです。

というか、ロマンあり過ぎます。
今でも下地車で河内で制作されたのは田治米のみ、まぁ、そらそうですよね。


でも新調当初は今みたいに完全な下地車では無くもっと上地車チックでした。

・・・懸魚も鳳凰やったかな?

写真を見た事があります。


1つ雑談と言うか、おもしろ話。

田治米が大音で新調した時、八尾から岸和田まではトレーラーで運んだそうですよ。
今でこそトレーラーで運ぶのはよく見ますが、昭和25年もトレーラーやったみたいです。
・・・牛に曳かせた、町民で曳いて帰ったという逸話はもっと昔の話。



イメージ 8

では、何故、田治米は下地車をわざわざ河内の大工に依頼したのか。
それは新調に携わった人の奥様が服部川出身だったと言うひょんな事からだそう。
ほんまの偶然というか、何と言うか…



イメージ 5

田治米の先代、菱屋東は恐らく大音がいっぺん引き取って菱屋東が買ったかと。
その際、大音で改修されて獅噛が付いたりしています。
これで新調だけやなくて修理もしていた事が分かります。



イメージ 6

中浜の地車にしても兜桁が付いたり、どこか下地車の要素が含まれてるんですね。
中浜の前年に作った田治米の影響か、かなりの確率で中浜と田治米横に並んでましたからね。



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赤川(岩田先代)は昭和23年に新調、その際下地車の枡組で組んだそう。
いつ頃か分かりませんが岩田時代に彫忠で修理、その際枡組は外され完全な上地車になったとか…

て事は、昭和25年田治米新調の前にも、下地車を新調もしくは改修、もしくは下取りなどで触ってると言う事。
・・・ん?ほな彫忠に下地車の枡組があるのか?と言う疑問。



《彫師》
大音の地車や太鼓台には必ず淡路の “松田正幸” の彫物が入っています。
これは大音と松田正幸が連携を組んでいたから、これは現代の大工と彫師も同様です。



イメージ 9

写真は東小橋地車、ゴツゴツとしない流れるような美しい彫物。
ある方から『豊浦作ってるとき松田が大音に泊まり込んで作ったんや』と聞きました。
その事について伺うと、庭に作業場があり母屋で松田正幸が泊まり込んで彫ってたとの事、豊浦だけや無しに恐らく全地車と太鼓台は泊まり込んで彫ったと思います。





ハイッ。今日はここまででございます~~
なかなかのマニアックな記事、最後までお付き合いありがとうございます。


今から梅田でお食事会です。


行ってきます。

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